ニコニコ星人にご注意を
あたしのアパートの前まで着くと、
ミチカ大丈夫?と、心配しながらも
時計を見ている。
…待ってるんだよね…
奥さんが…。
あ、もしかしたら、子供ちゃんも…。
大丈夫。
たぶんアオトが思うほど、酔ってないよ。
と、笑うと、
ちょっと安心したように、微笑んで
そお?ならいいけど…。
じゃ、俺、帰るわ。
また、ご飯行こ。と、帰りかけて、
あ!と振り返った。
明日は、いつものとこ乗りなよ?
まあ、混んでるから話どころじゃないけどさ。
顔見るだけでも、妙に安心するから。
わかった?
と、笑う顔に。
わかった…。と、言うだけで精一杯で。
満足そうにうなずき、
じゃ。と、本当に去っていく後ろ姿を…
追いかけてしまいたいくらい…
欲しくなっていた。
アオト…。
なんで、誰かのものになったのよ…。
なんで?
そんなに、素敵な人なの?
こんな、誰にでも愛想振りまく男の
どこが良くて…
笑える。
あたしも…か。
いたずらに近づくんじゃなかった。
高校生のアオトより、ずっと惹かれる。
なんだろ、相変わらずなんだけど
何かが違うような。
大人になったから?
全部…奥さんが変えたんだね。