ニコニコ星人にご注意を

しばらくの間、同じ電車にも乗れなくなった。

アオトの横にいた奥さんの笑顔が、
頭から離れなくて…無理だった。

久々の再会だったって言うのに、
何をこんなに引きずってるのか…
自分でもバカバカしくなりながら。

少しずつ、思い出さないようになってきた頃。

家に帰って、寝る前に携帯をひらくと、

…アオト!?


表示された名前を見るだけで、
胸が弾むのが、ほんと笑える。


どうせ…意味のない話…でしょ。

なかなかメッセージを開けずに、いたけど。


どうしても我慢できずに開くと、
恨み言から始まっていた。


なんで、朝いないんだよおー。
ミチカ、仕事忙しいの?出張とか?
俺毎日待ってるのにさー。
もう黙って待ってるのも飽きたから
連絡してみた。
時間あるなら、明日ご飯行こうよ。



待ってるって何よ。
勝手なんだから…!



でも…嬉しい…。
このまま忘れられてしまうと思っていたのに。

でも。
だからこそ。

もう無理だ。
人のものを奪うことは、あたしには無理。
奪われる悲しみを、あたしは知ってる。


うん。なんだか、やっと心が決まって
スッキリした。


結論は出てる。何も悩む必要なんてない。


もう寝ただろうな…。

そう思いながら、返信を打つ。


アオト、見た目もだけど、中身も
相変わらずだね?
いくら、ただの女友達ポジションだとしても、
大事な人を悲しませるよ?
あたしなら、悲しい。
あの頃は、言えなかったけど…
本当は…
あたしだけのアオトでいて欲しかったんだよ。

久しぶりに会えて嬉しかったし、楽しかった。
元気でね。

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