ニコニコ星人にご注意を

いつもの、自信たっぷりな余裕ある顔は
消えていて。

よっぽどこたえた記憶なのか、
思い出してる顔が、どんどん暗くなっていく。


社会人になってからは、学生の時よりは
俺にわかりやすくどんどん来る子って
少なくなってね。

落ち着いて相手を見るようには…
なってたんだよ。

でもさ…こう、男が思うより、女の子って
年をとるにつれて…

好きなだけじゃだめだよね?

結婚相手として、求められてしまうとさ。
こんな俺じゃ…許されないじゃん?
だから、変わろうと思ったんだ。


そっか…。
それで、結婚したんだ…?

聞きたくなかった答えを、とうとう自分から
投げてしまった。


あたしの目を見て、アオトはゆっくりと…

うなずいた。


やっぱり…。

わかっていたのに…胸が、ズキっと痛む。
わかっていたくせに、もれそうなため息を
唇に力を入れて抑える。


でも…別れた。


え!?


と言うより…愛想…つかされたんだ。
別れてくれって…泣かれた。

苦々しく言葉を絞り出している。

変わろうと思ったのに、俺は…
変われなかったのかも知れない。

アオトは、あたしのことを、愛してないよね?
あたしが、アオトを愛してるだけだって
言われて…

俺は…何も言えなかった。
そんなことないって…言ってやれなかった。






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