ニコニコ星人にご注意を
あ…わりと、いつも言ってた。
え、そうだっけ…。
でも、そんなこと言ったのは、絶対ミチカだけだったよ。
ミチカ、その後もそばにいてくれたから
わかってくれてると思ってたのにな。
だって…アオト…他の女の子にも
優しかったから。
それは、本当に俺が悪い。認める。
でもね、ミチカ…。
ずいっと前のめりになって、あたしの手を
握った。
や、な、なに。
赤くなる顔を見られたくなくて、うつむくと。
顔見せてよ。って、とびきり甘い声がする。
俺は…きっと、ずっとミチカが好きだった。
俺は…ミチカが欲しい。すごく。
だめ?
驚いて顔を上げると、アオトの顔は…
半分泣きそうに見える。
本気で…言ってるの?
もちろん。疑う気持ちはわかるけど。
あ、でも、この間電車で女の人と!
それも、たぶん誤解してると思ってた。
あれ、ねーちゃんだもん。
似てただろ?
時々様子見に来てくれてて。
そう言えば…ニコニコ…星人だった…。
ん??
あ、なんでもない。確かに似てた…ね。
だろ?
あとは?
もう心配ごとは無い?
俺のこと、もう信じられる?
心配そうにあたしを見る様子が、
真剣そのもので…
つい素直に、コクンとうなずいてしまった。
ばあっと明るくなる顔が、ほんとに
嬉しそうで。
俺のこと、好きになってくれる?と、
ニコニコ星人が、聞くから。
どうしようかな?
って、意地悪して言ってみたけど。
えー!って抗議する顔が可愛い。
この顔は、あたしだけに見せる顔だよね。
ふふ。
しばらくは、いじめちゃおうかな?
指輪も、つけといてもらおう。
あたしだけを見てくれるように。
いつか、新しい指輪をつける日まで
見張っておかなくちゃ。
ニコニコ星に帰られないように。
クスクス笑うあたしに、
なに、ミチカ!?と、不服そうな顔をしてる。
あの頃は、大事にされてばかりだったけど、
今度は、あたしが、大事にしてあげるね。
La Fin.