にせもの王子さま
「水上さん・・・」
声の主は水上さんだった。
私がこの会社に入社してから指導してくれている、私より2歳年上の先輩。
「あら、そう? うーん、そうねぇ・・・。水上がそう言うなら・・・まぁ、1人でもいいわ」
社長は水上さんを見て、少し表情を緩めた。
実は、水上さんは社長が直々にスカウトしてきた人だったりする。
スカウトされるだけあって、とにかく目をひく容姿の持ち主だ。
印象的な大きな切れ長の目と、きれいに通った鼻すじの華やかな顔立ちに、社長と同じぐらいの高い身長。
そして何より、特筆すべきは爽やかさ。汗だくになるような夏の暑さの中でも、水上さんの周りだけ風が吹いているのかな? と思う程の爽やかさなのだ。
ついでに、名前が水上涼なんだから、いったいどこまで爽やかなんだ。
だけど。
せっかくスカウトされたのに、自分が表に出ないマネージャー業務を志望したそうだ。
水上さんに聞いた時には「目立つのが好きじゃない」って言っていたけど・・・もったいないと今でも思う。
声の主は水上さんだった。
私がこの会社に入社してから指導してくれている、私より2歳年上の先輩。
「あら、そう? うーん、そうねぇ・・・。水上がそう言うなら・・・まぁ、1人でもいいわ」
社長は水上さんを見て、少し表情を緩めた。
実は、水上さんは社長が直々にスカウトしてきた人だったりする。
スカウトされるだけあって、とにかく目をひく容姿の持ち主だ。
印象的な大きな切れ長の目と、きれいに通った鼻すじの華やかな顔立ちに、社長と同じぐらいの高い身長。
そして何より、特筆すべきは爽やかさ。汗だくになるような夏の暑さの中でも、水上さんの周りだけ風が吹いているのかな? と思う程の爽やかさなのだ。
ついでに、名前が水上涼なんだから、いったいどこまで爽やかなんだ。
だけど。
せっかくスカウトされたのに、自分が表に出ないマネージャー業務を志望したそうだ。
水上さんに聞いた時には「目立つのが好きじゃない」って言っていたけど・・・もったいないと今でも思う。