にせもの王子さま
だけど、そんな事は到底無理だった。
自慢じゃないけど私は、少ないながらも親に仕送りをしていたりする。
いくら少ない額だと言っても、収入がなくなってしまった状態で、自分の生活を確保しつつ、仕送りを続ける事は無理がある。
会社を辞めるということは、今住んでいる社宅も出ないといけないし。
家賃が高いことをはじめ、都会での生活は何かとお金がかかる。貯金なんて雀の涙ほどしか出来ていない。
バイトをかけもちしたとしても、厳しい。
何をどう考えても・・・。
「無理だ・・・」
思わず、声に出てしまった。
そんな自分を鼻で笑い、空を見上げる。
私の気分とは真逆の、スッキリとした青空が広がっている。
心地いい風が、私の頬を撫でていく。
諦めて、田舎に帰るしかないのかな・・・。
そんな考えが頭をよぎってしまった。
それを振り払うように目を閉じて、真正面を向く。
その時、道路を挟んだ向かい側にあるビルの1階の美容院の扉が開いたのが目に入った。
自慢じゃないけど私は、少ないながらも親に仕送りをしていたりする。
いくら少ない額だと言っても、収入がなくなってしまった状態で、自分の生活を確保しつつ、仕送りを続ける事は無理がある。
会社を辞めるということは、今住んでいる社宅も出ないといけないし。
家賃が高いことをはじめ、都会での生活は何かとお金がかかる。貯金なんて雀の涙ほどしか出来ていない。
バイトをかけもちしたとしても、厳しい。
何をどう考えても・・・。
「無理だ・・・」
思わず、声に出てしまった。
そんな自分を鼻で笑い、空を見上げる。
私の気分とは真逆の、スッキリとした青空が広がっている。
心地いい風が、私の頬を撫でていく。
諦めて、田舎に帰るしかないのかな・・・。
そんな考えが頭をよぎってしまった。
それを振り払うように目を閉じて、真正面を向く。
その時、道路を挟んだ向かい側にあるビルの1階の美容院の扉が開いたのが目に入った。