にせもの王子さま
2
コトの始まりは、いつものように朝礼を終え、各々がデスクへと戻っていた時。
部屋の南側にある、大きな窓の前に置かれた応接スペースのソファに陣取っていた社長が、会社の業績がプリントされた書類を見ながら放った一言だった。
「関口・・・ねぇアンタ、この会社に入って何年目?」
この業界にいるからだろうか。50代なのに、社長の外見は驚く程若い。
自身が芸能人になれるんじゃないかと思うほど、目鼻立ちのくっきりしたきれいな顔立ちに、人混みの中にいても頭ひとつ飛び出す高い身長。
いつもきちんと整えられた黒髪は、手入れが行き届いている事をその艶が物語っていた。
「この業界の人間はよく見ているから」と、業界人と会う時に高級ブランドのオーダースーツを着ているその姿は、いつも見ている社内の人間からもため息が出る程。
ただひとつ、オネエな事だけが残念なんだよなぁ・・・。
部屋の南側にある、大きな窓の前に置かれた応接スペースのソファに陣取っていた社長が、会社の業績がプリントされた書類を見ながら放った一言だった。
「関口・・・ねぇアンタ、この会社に入って何年目?」
この業界にいるからだろうか。50代なのに、社長の外見は驚く程若い。
自身が芸能人になれるんじゃないかと思うほど、目鼻立ちのくっきりしたきれいな顔立ちに、人混みの中にいても頭ひとつ飛び出す高い身長。
いつもきちんと整えられた黒髪は、手入れが行き届いている事をその艶が物語っていた。
「この業界の人間はよく見ているから」と、業界人と会う時に高級ブランドのオーダースーツを着ているその姿は、いつも見ている社内の人間からもため息が出る程。
ただひとつ、オネエな事だけが残念なんだよなぁ・・・。