にせもの王子さま
3
やっときた、悠さんと社長の面談の日。
悠さんの授業が終わった後に、通っている大学の近くのカフェで待ち合わせた。
時間は、もう夕方。
でも、冬の頃より、夕方でも外が明るい。
もうすぐ梅雨がきて、それが終わったら、またひとつ歳を重ねるんだな。
そんな事をぼんやり思いながら、社長と一緒にカフェへ向かうタクシーに乗っていた。
じゃないと、社長がうるさくて!
バックミラー越しにたまに目が合うタクシーの運転手さんの目が、不憫な子を見る目になってしまっているほど、隣でこれでもかと私のダメ出しばかりするものだから、耳を塞ぎたくなる。
かと言って、実際に塞いだら、確実に怒られるのはわかっている。
だから、聞いている風を装って、ぼんやり違う事を考えていた。
どうやら今日、私は、目を開けながらにして意識を飛ばす技を身につけたらしい。
悠さんの授業が終わった後に、通っている大学の近くのカフェで待ち合わせた。
時間は、もう夕方。
でも、冬の頃より、夕方でも外が明るい。
もうすぐ梅雨がきて、それが終わったら、またひとつ歳を重ねるんだな。
そんな事をぼんやり思いながら、社長と一緒にカフェへ向かうタクシーに乗っていた。
じゃないと、社長がうるさくて!
バックミラー越しにたまに目が合うタクシーの運転手さんの目が、不憫な子を見る目になってしまっているほど、隣でこれでもかと私のダメ出しばかりするものだから、耳を塞ぎたくなる。
かと言って、実際に塞いだら、確実に怒られるのはわかっている。
だから、聞いている風を装って、ぼんやり違う事を考えていた。
どうやら今日、私は、目を開けながらにして意識を飛ばす技を身につけたらしい。