にせもの王子さま
「関口です! お待たせしてしまってすみません。私も店内にいるのですが、どの辺りにいらっしゃいますか?」
携帯に向けて話しながら、キョロキョロと辺りを見回す。
見える範囲だけでも電話をしている人が何人もいて、中には私に背を向けている人もいるから、どれが悠さんかがわからなかった。
「あ、じゃあ、立ちますね」
悠さんがそう言った後、受話口から小さくガタンと音が聞こえたのは、椅子から立ち上がった音だろう。
どこだろう?
もう一度、辺りを見回す。
今このタイミングで店内で立ち上がったのは、私に背を向けている人のうちのひとり。
そして、その人がゆっくり振り返ってこちらを向く・・・のを確認して、社長がすごい勢いで私にヘッドロックをかましてきた。
携帯に向けて話しながら、キョロキョロと辺りを見回す。
見える範囲だけでも電話をしている人が何人もいて、中には私に背を向けている人もいるから、どれが悠さんかがわからなかった。
「あ、じゃあ、立ちますね」
悠さんがそう言った後、受話口から小さくガタンと音が聞こえたのは、椅子から立ち上がった音だろう。
どこだろう?
もう一度、辺りを見回す。
今このタイミングで店内で立ち上がったのは、私に背を向けている人のうちのひとり。
そして、その人がゆっくり振り返ってこちらを向く・・・のを確認して、社長がすごい勢いで私にヘッドロックをかましてきた。