にせもの王子さま
「ちょっと関口! アンタ、私のことからかってるの!?」
ギリギリと締め上げられ、思わず私は社長の腕をバンバン叩いた。
「いや、からかってないです! でも、ええ!? 何でえぇ!?」
私の頭もパニックだ。
悠さんは、背が高くて、髪の毛がサラサラで、顔が小さくて、まるで王子さまみたいで。
困ったように笑ったあの顔なんて、本当にかわいくて。
絶対いけると思った。
絶対、社長も気に入ってくれるって。
でも・・・。
私、やっぱり幻を見ていたんだろうか。
それとも、焦ったあまり、ちゃんと顔を見ていなかったんだろうか。
そんのことばかりが頭に浮かぶ。
だって、立ち上がって振り返った悠さんは・・・私が会った、王子さまのような悠さんではなかったのだ。
ギリギリと締め上げられ、思わず私は社長の腕をバンバン叩いた。
「いや、からかってないです! でも、ええ!? 何でえぇ!?」
私の頭もパニックだ。
悠さんは、背が高くて、髪の毛がサラサラで、顔が小さくて、まるで王子さまみたいで。
困ったように笑ったあの顔なんて、本当にかわいくて。
絶対いけると思った。
絶対、社長も気に入ってくれるって。
でも・・・。
私、やっぱり幻を見ていたんだろうか。
それとも、焦ったあまり、ちゃんと顔を見ていなかったんだろうか。
そんのことばかりが頭に浮かぶ。
だって、立ち上がって振り返った悠さんは・・・私が会った、王子さまのような悠さんではなかったのだ。