にせもの王子さま
王子さまの始まり
1
「遅くなってすみません!」
商売道具が入っているであろう大きな鞄を抱えて、誠さんが部屋へと飛び込んできた。
それを見た、悠さんの緊張しきった表情が少し緩む。
あのカフェでの面談から時間は少し経って、時計は21時を知らせようとしていた。
場所は、事務所の会議室。
いつも会議の際に使用している大きな机とたくさんの椅子は片付けられ、かわりにドアの正面にある壁の前に、背景となる白いバックペーパーがあり、周りを何台ものライトが取り囲んでいる。
悠さんが出した条件は『ヘアメイクは誠さんに』だった。
仕事中の誠さんに連絡を取り、無理をお願いして、仕事が終わってから来てもらうことになった。
それが、今。
誠さんを見た悠さんが、座らされていた椅子からソロソロと立ち上がって、社長の元へと歩く誠さんの後ろにつく。
本当に、この間とはまったく違う人みたいだ・・・。
私は、悠さんが座っていた椅子を片付けながらため息をつく。
商売道具が入っているであろう大きな鞄を抱えて、誠さんが部屋へと飛び込んできた。
それを見た、悠さんの緊張しきった表情が少し緩む。
あのカフェでの面談から時間は少し経って、時計は21時を知らせようとしていた。
場所は、事務所の会議室。
いつも会議の際に使用している大きな机とたくさんの椅子は片付けられ、かわりにドアの正面にある壁の前に、背景となる白いバックペーパーがあり、周りを何台ものライトが取り囲んでいる。
悠さんが出した条件は『ヘアメイクは誠さんに』だった。
仕事中の誠さんに連絡を取り、無理をお願いして、仕事が終わってから来てもらうことになった。
それが、今。
誠さんを見た悠さんが、座らされていた椅子からソロソロと立ち上がって、社長の元へと歩く誠さんの後ろにつく。
本当に、この間とはまったく違う人みたいだ・・・。
私は、悠さんが座っていた椅子を片付けながらため息をつく。