にせもの王子さま
「なら、がんばりなさい。そうねぇ・・・ウチは男の子が少ないから、男の子がいいわね」

スカウトなんかした事がないから、どうやってすればいいのかわからない。
しかも、期限が1週間しかないなんて・・・!

血の気が引いていくのがわかった。
社長の腰を掴んでいる指先から力が抜けて、社長から離れてしまう。

社長は私にしがみつかれてシワになったシャツを整えながら、フンッと鼻息荒く私を見た。

何か言わなきゃ。

そう思うけど、膝立ちの体勢になったまま、体が動かない。
どうしよう、どうしよう・・・!

「社長。関口はスカウトの経験がありません。素人が1週間で、しかも何人もスカウトなんて、無理です」

頭の上から、低い男性の声がふってきた。
それと同時に、腕を引っ張られて立たされる。
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