異世界で、なんちゃって王宮ナースになりました。
「あなたは鈍いから、はっきりと言っておく。俺は年齢など関係なく、傷つきながらも誰かを救わずにはいられない博愛の心を持った若菜を好ましいと思っている。どんなものからも守り、慈しみ、甘やかしたい」
熱っぽく告げられ、私は自分がなにを言われたのかを一瞬理解できなかった。状況を把握するまでに時間を要したが、重ねられた言葉が全て告白ともとれることを理解すると一気に顔に熱が集まる。
「シェイド、あなた疲れているんじゃない?」
「若菜は疲れているせいにしたいのか」
そういうことではなくて、私にはもったいない。
シェイドは近い未来、国王になる。そのときに彼に必要なのは、アシュリー姫の言う身分や後ろ盾になれる伴侶なのだ。
私を大事にしてくれるのは、きっと私がシェイドの命の恩人だから。そして、私が彼を特別な存在に思ってしまうのは、彼がこの世界に来たばかりの私に居場所をくれた人だからだ。
お互いにいちばん辛い時にそばにいた相手だったから、錯覚しているだけ。それに、私には帰らなければいけない世界がある。いつか離れ離れになる日が来るとわかっていて彼を好きなるなんて無責任だし、私自身が耐えられない。
「王位を奪還して国に帰れたら、もっといろんな女性と出会って、私以上に好きだと思える人が現れるはずよ」
胸に居座る切なさに気づきながらも、そっとシェイドの胸を押し返した。
私からありのままでいろ、などと言ったのに愛想笑いを浮かべてしまう。
見つめた彼の瞳には悲しみが滲んでおり、彼を傷つけてしまったことに胸が締めつけられる。
でも、傷が浅いうちに離れたほうがいい。私は彼を仲間として、他の月光十字軍の皆と同じように支えていく。そのことに変わりはない。
痛いのは今だけで、すぐにその心を満たしてくれる女性が見つかる。王である彼と歩いてゆくのに相応しい、アシュリー姫のような存在が現れるはずだ。
熱っぽく告げられ、私は自分がなにを言われたのかを一瞬理解できなかった。状況を把握するまでに時間を要したが、重ねられた言葉が全て告白ともとれることを理解すると一気に顔に熱が集まる。
「シェイド、あなた疲れているんじゃない?」
「若菜は疲れているせいにしたいのか」
そういうことではなくて、私にはもったいない。
シェイドは近い未来、国王になる。そのときに彼に必要なのは、アシュリー姫の言う身分や後ろ盾になれる伴侶なのだ。
私を大事にしてくれるのは、きっと私がシェイドの命の恩人だから。そして、私が彼を特別な存在に思ってしまうのは、彼がこの世界に来たばかりの私に居場所をくれた人だからだ。
お互いにいちばん辛い時にそばにいた相手だったから、錯覚しているだけ。それに、私には帰らなければいけない世界がある。いつか離れ離れになる日が来るとわかっていて彼を好きなるなんて無責任だし、私自身が耐えられない。
「王位を奪還して国に帰れたら、もっといろんな女性と出会って、私以上に好きだと思える人が現れるはずよ」
胸に居座る切なさに気づきながらも、そっとシェイドの胸を押し返した。
私からありのままでいろ、などと言ったのに愛想笑いを浮かべてしまう。
見つめた彼の瞳には悲しみが滲んでおり、彼を傷つけてしまったことに胸が締めつけられる。
でも、傷が浅いうちに離れたほうがいい。私は彼を仲間として、他の月光十字軍の皆と同じように支えていく。そのことに変わりはない。
痛いのは今だけで、すぐにその心を満たしてくれる女性が見つかる。王である彼と歩いてゆくのに相応しい、アシュリー姫のような存在が現れるはずだ。