幻獣サーカスの調教師
中に入ると、団長の側には黒い長髪の青年がいた。
服は前重ねで、灰色の少し裾が広がったズボンを履いており、この辺りの服装では無いことが分かる。
「……」
青年の顔にルルは見惚れた。
リュートは男だが、綺麗と言う言葉が似合いそうな感じだが、目の前の人は、格好いいと言う言葉が似合う。
ラッドを格好いいと思うのとはまた別だ。
なんと言うか、落ち着かない気持ちになる。
「何をぼんやりしてるんだ?」
「!すみません。彼が新しい団員の方ですね?」
ハッとしたルルは、すぐに背筋を伸ばす。
「そうだ。挨拶しろ」
団長は男性に目配せすると、男性は頷いてルルと向き合う。
「初めまして。今日からこのサーカス団の一員になります、ノエンと言います。どうぞよろしくお願いします。先輩」
「!せ、先輩だなんて……」
ニコッと優しく微笑まれ、更には「先輩」と呼ばれたことで、胸の奥がざわついた。
自分よりも明らかに年上の男性から、先輩扱いされるのは、嬉しいが恥ずかしい。
「私より長くここにいらっしゃるんでしょう?だったら、先輩で合ってますよ。ところで、お名前を伺っても良いですか?」
「あ、私はルルと言います。よ、よろしくお願いします」
穏やかな顔と丁寧な口調に、ルルは頬に熱が溜まるのを感じながら、ノエンへとお辞儀をする。
「貴女がルルさんですか。団長さんから話を聞いて、楽しみにしていたんです。幻獣の扱いには、誰よりも優れていると聞いて。……でもまさか、こんなに可愛らしい人だとは思いませんでした」
「か、かわっ!……いいえ、私なんてミソッカスだし、ソバカスまみれだし……可愛いなんて、あり得ません」
ノエンの誉め言葉に動揺したルルは、顔を真っ赤に染めて下を向いた。
何分容姿を褒められたことなどないので、どう返せば良いのか分からないのだ。
「……話はそれくらいにして、早速サーカスの案内をしてやれ」
「あ、はい。……こちらへどうぞ」
「ありがとうございます」
ルルはノエンと共に、団長の部屋を出た。
服は前重ねで、灰色の少し裾が広がったズボンを履いており、この辺りの服装では無いことが分かる。
「……」
青年の顔にルルは見惚れた。
リュートは男だが、綺麗と言う言葉が似合いそうな感じだが、目の前の人は、格好いいと言う言葉が似合う。
ラッドを格好いいと思うのとはまた別だ。
なんと言うか、落ち着かない気持ちになる。
「何をぼんやりしてるんだ?」
「!すみません。彼が新しい団員の方ですね?」
ハッとしたルルは、すぐに背筋を伸ばす。
「そうだ。挨拶しろ」
団長は男性に目配せすると、男性は頷いてルルと向き合う。
「初めまして。今日からこのサーカス団の一員になります、ノエンと言います。どうぞよろしくお願いします。先輩」
「!せ、先輩だなんて……」
ニコッと優しく微笑まれ、更には「先輩」と呼ばれたことで、胸の奥がざわついた。
自分よりも明らかに年上の男性から、先輩扱いされるのは、嬉しいが恥ずかしい。
「私より長くここにいらっしゃるんでしょう?だったら、先輩で合ってますよ。ところで、お名前を伺っても良いですか?」
「あ、私はルルと言います。よ、よろしくお願いします」
穏やかな顔と丁寧な口調に、ルルは頬に熱が溜まるのを感じながら、ノエンへとお辞儀をする。
「貴女がルルさんですか。団長さんから話を聞いて、楽しみにしていたんです。幻獣の扱いには、誰よりも優れていると聞いて。……でもまさか、こんなに可愛らしい人だとは思いませんでした」
「か、かわっ!……いいえ、私なんてミソッカスだし、ソバカスまみれだし……可愛いなんて、あり得ません」
ノエンの誉め言葉に動揺したルルは、顔を真っ赤に染めて下を向いた。
何分容姿を褒められたことなどないので、どう返せば良いのか分からないのだ。
「……話はそれくらいにして、早速サーカスの案内をしてやれ」
「あ、はい。……こちらへどうぞ」
「ありがとうございます」
ルルはノエンと共に、団長の部屋を出た。