幻獣サーカスの調教師
ルルが舞台に上がると、何時もは騒がしいほどの拍手を送る観客達は、クスクスと小さく笑っている。
ラッドが入った檻も、エルフによって運び出され、舞台へと置かれた。
「では、長年ラッドの面倒を見てきた彼女自身の手で、ラッドを殺していただきましょう!」
(……え?)
団長の言葉に、ルルは目を見開いた。
一体どういうつもりなのだろうか?
(どうして?団長さんはラッドと一緒に、私のことも処刑するって言ってたのにっ!!)
団長の意図が読めず、困惑するしかない。
だが、ルルが呆然としている間に、ラッドの檻の鍵が外される。
そして、ルルにエルフは斧と鞭を渡した。
これで、ラッドの首を切り落とせと、暗黙に言っているのだ。
初めて持つ斧はとても重く、ルルはカタカタと震える。
ラッドは檻から出ても、唸るだけでまだ襲い掛かっては来ない。
「さぁ!お楽しみください」
団長の声に、こだまがかかる。
『さぁ、殺してしまえ!そうすれば、お前は生きられるのだ』
そう言っているように、ルルには聞こえた。
ルルはラッドと向き合う。
鞭に付いているボタンを押して、ラッドの体に電撃を流し、顔を地面に押し付けるラッドの首に、この重たい斧を振り下ろせと言うのか。
(……そうすれば、私は助かるの?)
ラッドの命を奪い、これからも団長の望む通りに偽りの自分を演じる道か、それとも―。
(……ラッドがいなくなれば……ラッドを殺してしまえば)
生き長らることが出来る。
本当はまだ死にたくなんてない。
だって死ぬのは怖いし、首を落とされたら痛い。
(……殺してしまえば、私は―)
ルルは斧を持ち上げた。重くてふらつきそうだが、何とか堪えて。
「私……はっ―」
ラッドが入った檻も、エルフによって運び出され、舞台へと置かれた。
「では、長年ラッドの面倒を見てきた彼女自身の手で、ラッドを殺していただきましょう!」
(……え?)
団長の言葉に、ルルは目を見開いた。
一体どういうつもりなのだろうか?
(どうして?団長さんはラッドと一緒に、私のことも処刑するって言ってたのにっ!!)
団長の意図が読めず、困惑するしかない。
だが、ルルが呆然としている間に、ラッドの檻の鍵が外される。
そして、ルルにエルフは斧と鞭を渡した。
これで、ラッドの首を切り落とせと、暗黙に言っているのだ。
初めて持つ斧はとても重く、ルルはカタカタと震える。
ラッドは檻から出ても、唸るだけでまだ襲い掛かっては来ない。
「さぁ!お楽しみください」
団長の声に、こだまがかかる。
『さぁ、殺してしまえ!そうすれば、お前は生きられるのだ』
そう言っているように、ルルには聞こえた。
ルルはラッドと向き合う。
鞭に付いているボタンを押して、ラッドの体に電撃を流し、顔を地面に押し付けるラッドの首に、この重たい斧を振り下ろせと言うのか。
(……そうすれば、私は助かるの?)
ラッドの命を奪い、これからも団長の望む通りに偽りの自分を演じる道か、それとも―。
(……ラッドがいなくなれば……ラッドを殺してしまえば)
生き長らることが出来る。
本当はまだ死にたくなんてない。
だって死ぬのは怖いし、首を落とされたら痛い。
(……殺してしまえば、私は―)
ルルは斧を持ち上げた。重くてふらつきそうだが、何とか堪えて。
「私……はっ―」