リストカット
倉上陽太は
「アイツ自殺したんだって!メンタル弱ぇーな!」
陽太は栞奈がリストカットをしたことについて、みんなで大笑いしていた。
「倉上!」
突然、翔太が呼んできて驚く陽太。陽太はすぐに顔を歪めた。
「倉上、来い」
翔太がそう言ったので、陽太は仕方なくついて行くことにした。
呼び出された場所は美那の時と同じ談話室。さすがの陽太でも緊張は走ったみたいだった。
翔太と陽太はテーブルを挟んで向かい合った。
「栞奈のことだけど。栞奈に何をしたんだ?」
やっぱりそれかよ、と陽太は呆れたように思っていた。
「知りませんよ、そんな」
「よく嘘を付けたね。これを見せてやらないとダメか」
そう言って、翔太は陽太の前に栞奈の遺書を置いた。陽太は恐る恐る栞奈の遺書を開いた。
「ふざけんな……!!」
急に声を上げた陽太に翔太はびっくりした様子だった。
「何で俺のせいなんだよ!俺は何もしてねぇ!!」
「嘘吐き……」
「はぁ?!」
翔太が呟いた言葉でさらに陽太は怒り出す。
「俺はアイツをいじっただけなんだよ!それだけでこれとかアホかよ!」
陽太が反省する様子もなくて、翔太は呆れていた。
「少し頭を冷やせ。反省文は今度書かせる」
睨み付ける陽太を無視して、翔太は談話室から出た。
「ふざけてると言いたいのはこっちの方だ。栞奈を苦しめたヤツは許さん」
翔太は怒りながら、教務室に戻って行った。