幻惑な夜
俺はミラーの中のNBAをジーっと見つめ、ゆっくりゆっくりと口元を緩ませる。

ニヤリ、ニヤリだ。

負けない。
俺は負けない。
ミラーから目をそらさない。

するとNBAがふいに顔を窓へ向け、俺との視線を断ち切る。

…勝ち。
この試合俺の勝ち。

残り3秒でボールをカット、速攻からワン、ツー、スリーでダンクだ。

いや、ガードを振り切ってのスリーポイントってとこか、ええ、NBA?


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