幻惑な夜
はっきり分かっているのは、俺がイヤらしい感情に支配されつつあると言うことだ。

舐めまわしたい…。

ベロベロに恭子のキレイな太腿を舐めまわしたいと、俺は思ってる…。

こんな時に、こんな状態の恭子を見て、そんなイヤらしい事を考えてしまう俺の心は、やはり腐りきっているに違いない。

恭子が寝返りをうつ。
俺が座っている方に顔を向けてだ。

足の動きは止まっている。

寝返りをうったため、右腿をさすっていた俺の右手の上に、恭子の左腿がのっかって来た。

俺の右手は両方の太腿に挟まれたかっこうだ。

恭子の両足が、モゾモゾと動く。

俺は恭子の顔に視線を戻す。

恭子が起きていた。

麻酔から覚め、薄めを開けて俺を見ている。

俺はそれに答えるように、太腿に挟まれた右手の親指で、恭子の右腿を三回こすった。

恭子は口元を軽く緩ませて、「やらしい…」
そう言った。


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