幻惑な夜
いない。
男と女がだ。
もう階段を降りて行ったのだろうか?
そう思った瞬間、男の顔がアップで現われた。
俺は思わず驚いて声を上げそうになる。
続いて女の顔が男の顔を押し出すように現われ、レンズの中にちょうど二人の顔だけがスッポリと収まった。
魚眼レンズが二人の顔に丸みを付けて、ヒラメ顔で間抜けだ。
二人のヒラメはニヤニヤしてこっちを見てる。
明らかに二人の行為は、俺がレンズから覗いているのを前提にしているとしか思えない。
男が少しレンズに顔を寄せ、あっかんべぇをした。
俺はジーっと目を離さない。
男の目は赤く充血している。
あっかんべぇで下瞼を下げている指の爪の間は真っ黒だ。
そんなものを冷静に目にしている内に、覗き見を見透かされていると言う小恥ずかしさがせり上がって来る。
やっぱりあれか?
こう言う覗きの、変なオーラみたいなものはドアを通しても向こう側に感じるものなのだろうか?
男と女がだ。
もう階段を降りて行ったのだろうか?
そう思った瞬間、男の顔がアップで現われた。
俺は思わず驚いて声を上げそうになる。
続いて女の顔が男の顔を押し出すように現われ、レンズの中にちょうど二人の顔だけがスッポリと収まった。
魚眼レンズが二人の顔に丸みを付けて、ヒラメ顔で間抜けだ。
二人のヒラメはニヤニヤしてこっちを見てる。
明らかに二人の行為は、俺がレンズから覗いているのを前提にしているとしか思えない。
男が少しレンズに顔を寄せ、あっかんべぇをした。
俺はジーっと目を離さない。
男の目は赤く充血している。
あっかんべぇで下瞼を下げている指の爪の間は真っ黒だ。
そんなものを冷静に目にしている内に、覗き見を見透かされていると言う小恥ずかしさがせり上がって来る。
やっぱりあれか?
こう言う覗きの、変なオーラみたいなものはドアを通しても向こう側に感じるものなのだろうか?