幻惑な夜
⑥
俺は橋の欄干に右肘を付きながら、石神井川に唾を垂らす。
指に挟んだタバコを、最後に思いっきり吸ってからピンっと弾く。
タバコは弧を描いて、暗い石神井川へと吸い込まれていった。
「何だってんだ、いったい…」
俺はボソッと呟くと、欄干の上に置いておいた缶コーヒーを一口飲む。
それにしても何だって言うのだろう。
立て続けに嫌な夢を見た。
二本立てかよ。
思い出したくない過去…。
消せるなら消してしまいたい黒い過去…。
この街を離れて12年ちょい…。
俺の頭の中では、この街はすでに消えている。
それが今日に限って、いまいましくも夢の中でとは言え浮かび上がってくるとは。
見覚えのある街並みから、揺り起こされる記憶。
来たくなかった。
恨むぞNBA。
俺は缶コーヒーをグイッと飲み干すと、その空き缶を石神井川に投げ捨てた。
指に挟んだタバコを、最後に思いっきり吸ってからピンっと弾く。
タバコは弧を描いて、暗い石神井川へと吸い込まれていった。
「何だってんだ、いったい…」
俺はボソッと呟くと、欄干の上に置いておいた缶コーヒーを一口飲む。
それにしても何だって言うのだろう。
立て続けに嫌な夢を見た。
二本立てかよ。
思い出したくない過去…。
消せるなら消してしまいたい黒い過去…。
この街を離れて12年ちょい…。
俺の頭の中では、この街はすでに消えている。
それが今日に限って、いまいましくも夢の中でとは言え浮かび上がってくるとは。
見覚えのある街並みから、揺り起こされる記憶。
来たくなかった。
恨むぞNBA。
俺は缶コーヒーをグイッと飲み干すと、その空き缶を石神井川に投げ捨てた。