【短編】『枯れ葉が舞って』
心は悲鳴をあげるけど、やはり足は止まることはない。 



そして『あの』場所についた。 

かつて二人の秘密基地だったそこ…。 



1年前の今日『秋』と約束を交わした場所。 





「秋、大好きだよ。ずっと一緒にいよう?」




今なら、今なら言えるのに……。 




こんなに近くにいるはずなのに……。 




視界が滲んでもう何もわからなくなった。


次第に堪えきれなくなり、大粒の涙が頬を伝った。






そんな視界にいきなり影がさした。



二度と会うはずのない秋に眠る影。
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