生徒会長は女の子が苦手です
でもまぁ、それでもいいかも。


「伊織が女っ気ないなら、いいかも…」


「なにそれ、独占欲?」


そう言ってふざけて伊織が笑う。


「そう、なのかな…」


わかんない。


でも、伊織が他の女の子と喋ってるなんて嫌だもん。


実は、体育祭でこけた時、里穂ちゃんは私を運びながら言った。


「先輩って、会長のこと、とっても好きですよね。

なんかもう、羨ましいぐらい」


「どうして?」


「先輩は脈ありじゃないですか、会長。


私、何度か会長に話しかけたことがあるんですよ。


したら、会長、なんて言ったか分かります?」



「ん?なんて言ったの?」


「ごめん、南さん通してくれない?って。


それも半泣きで。


そんなこと言われたら、もうなにも言えないじゃないですか。


先輩のこととっても気に入ってて、信頼してるからそう言ったんでしょう?」


里穂ちゃんは少し俯いて、自傷気味に笑いながら話を続ける。


「後日話しかけた時は普通に話してくれて、でもやっぱり先輩が原因で。


南さんが機嫌損ねちゃったから、取り次ぎしてくれなくなったんだよ、って。


やっぱり会長は先輩のこと、好きなんだなぁって思いました。


告白したのも、諦める気でしたから。


先輩は、会長と幸せになってくださいね、ほんと。


私、七瀬先輩も本当に大好きですから」
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