生徒会長は女の子が苦手です
そう笑うと里穂ちゃんは私を送り届けてすぐに戻っていった。


なんとなく、わかっていた。


気づいていた。


里穂ちゃんが、よく伊織と喋っていたのを。


ほんとに、見るたびに胸が痛くて、寂しくて、取られてしまうんじゃないかって思ってた。


「伊織」


「なに?」


「好き、大好き」



すると伊織は顔を赤くして、私を抱きしめてくれた。



「七瀬、今日はもう帰ろうか。


うちに泊まっていいよ?明日も明後日もお休みでしょ?」


「そうだね、でも仕事終わってないよ?」



グラウンドを見下ろすと告白大会真っ只中だった。


「いいじゃん。1週間俺たちいっぱい働いたもん。


イチャイチャしてた迷惑カップルに任せよう」


「そっか、そうしよっか。たまにはいいかも」


私と伊織は、鞄を持ってしれっと家に帰った。


家に帰るともふが私のことを出迎えてくれて、伊織がお風呂に入ってる間、ずっともふとじゃれていた。


疲れてたけどめちゃくちゃ可愛かった。


それからお風呂を借りて、一度家によってとって来た部屋着に着替えた。


既に成人、結婚済みのお兄ちゃんが置いていった大きめのTシャツを借りた。
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