生徒会長は女の子が苦手です
そんなことを考えつつ、立ち上がって邪魔をしないようにソファに戻る。


すると机に置いてあった七瀬のスマホがなった。



「七瀬ー、電話ー」


「スマホ持ってきてー」


「はーい」



七瀬にスマホを渡して戻ろうとする。


すると通話ボタンを押した七瀬のスマホから爆音が聞こえた。


『七瀬えええ!!今どこにいるんだああ!!』


「お、お兄ちゃん?」


『夜逃げか?夜逃げなのか?もう家には帰ってこないのか?そんなことするぐらいならお兄ちゃんの家においでぇ…』


軽く泣いてるような大きな声が、スマホから流れ出てくる。


「いや、今伊織のマンションだから。大丈夫だよ、夜逃げなんかしてない」



『おぉ、そうかそうか。じゃあ今からそっち行くから待ってろ!!』



そう言うと一方的に電話が切れた。



「なんだろ。急に」


「さぁ?妹が心配になったんじゃないのか?」


「お兄ちゃんより、沙耶さんにきて欲しかったな。


理沙ちゃんとか」


「言ってやるなよ」


沙耶さんというのは北斗くんのお嫁さんで、明るくて元気な人。


理沙ちゃんとは2人の間の子どもだ。


今、沙耶さんは妊娠中で双子を身ごもったらしい。
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