生徒会長は女の子が苦手です
いや、俺のせい、なのか全部…。


なんとなく、言い返したい気分もあるけど何も言わないでおく。


北斗くん、思いっきり俺を睨んでるし。



「七瀬、そんな奴ととっとと別れろっ!」


「なんで?私伊織のこと好きだよ?」


「うっ…そんな純粋な目で見られたらお兄ちゃんの何も言えない」


「伊織、可愛いし、優しいし、時々バカでドジだけど、かっこいいよ?」


「やめて、そんなべた褒めしないで!!

お兄ちゃんヤキモチ妬いちゃう!!


ほら、伊織も顔赤くなってるじゃん!!」


言葉になりません。


もうほんと、嬉しすぎる。



「北斗くん、帰ってもらっていいですか」


「はぁ!?お前このタイミングで俺が帰ったら絶対手ェ出すだろ!!」


「出しません。ただちょっと、カップル的なことをしたい感情が湧きました」


「出す気じゃねぇか!!」



わんわん喚く北斗くんは騒がしいったらありゃしない。


七瀬は七瀬でこいつらなんの話をしてるんだ、みたいな顔してるし。


とりあえず北斗くんを追い出して、玄関の鍵をかける。


「お前、彼女の兄貴相手によくそんなこと言えたなぁ!!覚えとけよっ!!」


玄関の向こうでやかましい声が聞こえてくる。


補導されればいいのに。
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