生徒会長は女の子が苦手です
部屋に戻ると七瀬はぼーっと床に座っていた。


「あ、伊織。おかえり」


「やっと2人になれた」



そういうと、俺は七瀬に抱きついた。


「伊織?」


「七瀬、兄貴相手にめちゃくちゃ恥ずかしいこと言うね」


「へっ、聞いてたの?」


七瀬の顔は熱を持った。


「俺めっちゃ恥ずかしいんだけど」


「うぅ、だってほんとだもん」


七瀬は、恥ずかしそうな声で言う。


そんな七瀬の首筋にまた、顔を埋める。


「ひゃっ…伊織ぃ…」


「ん、かわいい」


「ひ、ぁ…」



そして私は七瀬の首筋にキスマークをつける。



「…ぃ、伊織、今なんかつけたでしょ」


「ん?キスマークのこと?」


「う、そ、何つけてんの?


もー絶対見えるとこじゃんもう!」


「怒んないで、俺なりの愛情表現だから」


「も、う!ばーか」


七瀬は恥ずかしくて怒ってるのか、目をそらしてしまう。


そんな七瀬の頬を包み込んでおでこをくっつける。


「ねぇ七瀬」


「ん?」


「キス、していい?」


「ん…」


七瀬は小さくうなずくと目を閉じた。


まつげの長い、きれいな顔がすぐ近くにあって。


欲情するなと言う方が無理な話だよね。
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