生徒会長は女の子が苦手です
俺はゆっくり七瀬の唇に近づき、触れるだけのキスをした。


一瞬だけ触れた七瀬の唇は柔らかくて。


俺の理性を崩壊させていく。


それでも、我慢して俺は2回目のキスはしなかった。



「ん…伊織」


「どした?」


「もう一回、して?」


うるうるした目でそう言うことを言うから、やっぱり止められなくて。


ほんとに、男殺しもいいとこだ。


そんなかっこで、そんなことを言われたら、止められるはずない。


知らないうちに七瀬の肩から襟が落ちていた。


「…もう一回だけだよ」


「ん。わかった」


もう一度、さっきと同じように七瀬の唇を奪う。


すると、七瀬が離れてくれない。


唇をくっつけたまま首に腕を回してきた。


こいつ、どこでこんなこと覚えたんだ。



七瀬は俺の唇を軽く舐めると、唇を離した。



「七瀬、どこでそんなの覚えたの」


「き、きかないで」



これは絶対裕樹だな。


なかなか、あいつも変なこと教えやがって。


てか、七瀬がファーストじゃないのがわかってしまって気に入らない。


終わったことはどうにもできないんだけど。



俺は七瀬にもう一度だけキスをすると、床に倒れこんで、七瀬を捕まえたまま寝た。


昨日の夜に、寝なかったからか、すぐに落ちてしまった。


これも全部七瀬のせいだから七瀬に責任とって抱き枕になってもらって。


結局俺は夕方の4時まで目を覚まさなかった。
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