生徒会長は女の子が苦手です
「俺は七瀬のお兄ちゃんだぞ?


七瀬のできないことは俺にもできるわけない」


「うん。ごめんね。沙耶さん、調子良さそうなら呼んでくれる?」


「もちろん!」


なんだか、バカ呼ばわりされたけどそれより北斗くんの開き直り方がやばい。


すると、部屋に七瀬が戻って来た。



「待っててね。今沙耶さん呼んだから。


のんびり待っててね」


そういうと、七瀬は座り込んで俺の髪の毛を触り出した。


「伊織の髪の毛、ふわふわだね」


「あぁ…」


七瀬は沙耶さんが来ると思って安心したのか、どんどんまぶたが落ちて行く。


心配、かけてるなぁ。



そのうち俺の頭を触ったまま寝てしまった。



「七瀬ー、沙耶迎えに行ってくる…って、今の一瞬で寝たのかよ」


呆れたように、腰に手を当てる北斗くん。


「伊織、ちょっと沙耶連れてくるから。


そのままほって行くけど、欲情なんかするなよ」


「なんて、無茶なお願い」


「無茶なことはわかってる。ただ、それは俺にもどうしようもできない。


寝ている七瀬を起こすなんてお兄ちゃんにはできないっ!!」


そんなアホなことを言いつつ、北斗くんは走って家を出て行ってしまった。
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