生徒会長は女の子が苦手です
「あぁ見えて会長、勉強できないからね。みんなで勉強したりするの。


したら絶対寝言言いながら寝てるの。


その寝言がね、

『明日のご飯はオムライスがいい』とか、


『今日は暑いから学校休む』とか、


『お前ん家の猫より俺の猫のがかわいい』とか、

ほんとよくわかんないことばっかなんだけど、小学生みたいでかわいいの」



「へぇ〜、会長、七瀬さんの前なら寝るんですね。かわいい」



「でしょ?それが面白くて生徒会のみんなで毎回笑ってるの」



七瀬は涙を溜めながら笑っている。


まじか、俺そんなこと…。


ふと、裕樹の方を見ると涙を溜めながら笑うのをこらえている。



「な、七瀬にかわいいって、言われてるじゃん。…ぷっ」


「笑わないでくれる?南さんの前でそんなことしてると思わなかったんだよ」


「はははっ!!ウケる〜!なんちゅう寝言言ってんだよ」


「しゃーないよ。眠いんだもん」


「ははっ、伊織めちゃくちゃ気に入られてるじゃん」


「何が」


「俺、七瀬と付き合ってた時、かわいいともかっこいいとも言われたことねぇもん。


気に入ってるって証拠だろ?」



…今聞き捨てならないことを聞いた。


イケメンにイケメンって言ったことがない?


校内一モテるこいつに?


本気?



「南さんに気に入られてるなんて嬉しいよ」


「なんでそんな棒読みだよ」
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