生徒会長は女の子が苦手です
そういって悪い子どもみたいな笑い方をする裕樹。


すると生徒会室の扉が開いて桃矢と佐倉さんが入ってくる。


「ん〜?何事?」


「ななちゃん?どしたの大丈夫?」


顔を真っ赤にした七瀬をみて、佐倉さんは七瀬に駆け寄る。


「まぁ、これで七瀬が何かされる心配もなくなったわけだし、邪魔者は消えるわー」


「おい、裕樹」


「じゃーねー」


ひらひらと手を振って出ていった。


七瀬を見るとまだ動けないご様子。


「ななちゃんなにされちゃったの?どうしたの?


ねぇ、ななちゃん」


佐倉さんは肩を揺する。


そして桃矢は何かに気づいたと言うふうにポンっと手を叩くと、俺に近づいて、七瀬たちには聞こえないような声量で聞いてきた。


「会長、手、出したね?」


「さぁな」


そういってはぐらかすと、桃矢は苦笑いをする。


「ななちゃん?とりあえず着替えに行こう?ね?」


七瀬は佐倉さんに支えられて立ち上がるとふらふら歩き出した。


「絶対なんかしたでしょ〜」


「さーねー。俺知らない」


そういって俺たちも着替え始める。


着替え終わって俺たちは、仕事に一切手をつけずに遊んでいたことに怒鳴られながら、積もりに積もった仕事を解消した。


七瀬は途中で北斗くんに呼び出されて、帰って行った。
< 165 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop