生徒会長は女の子が苦手です
「理沙ちゃん、行こっか」


「うんっ!いーちゃーん!」


理沙ちゃんはバタバタと伊織の方へ走って行く。


そして、伊織に飛びつくと、伊織は優しい笑みで理沙ちゃんを抱っこする。


まぁ、ちょっとだけヤキモチやいてたり。



私は2人分のカバンを持って伊織の家の鍵を締める。


毎日毎日、理沙ちゃんはずるいなぁ。


子ども相手にそんなこと言えるはずもないので、いつも通り伊織たちの横を歩く。


「理沙ちゃん、今日はお仕事ないから帰りに病院よろっか」


「うんっ、ママに会いに行くっ!」


伊織の腕の中できゃいきゃい喜ぶ理沙ちゃん。


うーん…。いいなぁ…。





学校にて。


私たちは理事長に理沙ちゃんを預けた後、教室に着いた。


教室ではほとんど喋らない。


伊織はずっと裕樹と喋ってて、私はいつも違う子。


みんなが毎日話しかけてきてくれて、嬉しいんだけど、特定の友達がいないのは3年間ずっと一緒。


生徒会に入ってすぐに忙しくなって、気づいたら私以外の全員がどこかのグループに入っていて。


なんだか寂しい。


「南先輩、いますか…?」


ドアの方で聞こえた声。


振り返ると誰だかわからない男の子。
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