生徒会長は女の子が苦手です
「七瀬、大丈夫か?」


いつもの優しい伊織の声…。


それを聞いた途端、ひたすら涙が流れる。


「泣くな、もう大丈夫だから」


「い、おり…伊織ぃ…」


そういって近づいてくる伊織に抱きつけば、伊織は頭を撫でてくれる。


伊織の、匂いだ…。


「大丈夫、もう怖くないから」


「伊織…っ」


伊織の温もりが懐かしい。


離れたくない…。


「俺はここにいるよ?大丈夫だから」


「離れちゃ、やだ」


伊織を見上げて、涙目でそう言うと、伊織は顔を赤くして口元を隠した。


「い、おり?」


「可愛すぎかよ」


「へ?」


「んじゃあ次の授業サボるか」


「そ、それはダメっ、伊織頭良くないもん…。

サボるのは、良くない」


「そうだな、じゃあ今日は2人で泊まりにおいで。


病院も付いていってあげる。


2人っきりじゃないけど、今はそれで我慢して?」


「…っ、うんっ」


伊織は優しい笑みを浮かべる。


私たちはいつも通り、私が伊織の半歩後ろを歩く形で教室に戻った。



伊織が近くにいてくれるのが久しぶりな感じがして。


やっぱり、好き。



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