生徒会長は女の子が苦手です
1人になると、急に悲観的になる癖がある。


だから今も、伊織に嫌われてしまったんじゃないかってずっと思ってる。


伊織はまだ、なんでわたしが急に帰っていったかなんてわかってないだろうし、どうせ菜月ちゃんと楽しく遊んでるんだろう。


近くに来て急に匂いだした、あのキツめの香水にでもやられてるんでしょうね。


ほんとに菜月ちゃん、タイミング悪い。


久しぶりに伊織と一緒に寝れると思ったのに。



そんなことを思いながら、ソファに寝転がるとまた睡魔が襲って来て、眠りにつく。



継ぎ目を覚ますと7時だった。


あぁ、理沙ちゃん迎えに行かなきゃ。


あったかい格好に着替えて、家を出る。


寝すぎたかな…。


頭が重いや…。


はぁ…。


ダメダメ。しっかりしなきゃ。


理沙ちゃんの相手してあげなきゃだもんね。


1人、病院への道を行く。


久しぶりに1人で歩いた。


いつも、伊織とか理沙ちゃんがいてくれたから。


こんなに、1人苦手だっけ。


特定の友達も作れずに、今まで私、不思議なくらい楽しかったのに。


…伊織がいないからだよね。



病院に着いて、変わったらしい病室の場所を聞く。
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