生徒会長は女の子が苦手です
菜月は意味わかんない〜、と言って笑う。


「あ?そう?」


席について、菜月が作った晩御飯を食べる。


味が濃い…。


七瀬の味に慣れてるからかな。


余計に味が濃く感じる。



「美味しい?」


「あー、うん」


「ふーん」


菜月は気に入らなさそうにご飯を口に運ぶ。


「あの子に、いつもご飯作ってもらってるの?」


「いや、いつもじゃないよ」



そう言えば、もふでてこないな。


ご飯の時間はいつも出てくるんだけど。


なんでだろ。


飯を食い終えると、俺は家中を歩いてスマホを探す。



「ない」


「私も一緒に探そうか?」


「いいよ」



なんか、あんまり歩き回られたくない。


香水の匂いが強いし。


ああ、この匂いが強いからもふは出てこないのか。



「風呂入ってその匂い落として来て。もふが出てこれない」


「もふ?猫だよね?そんな名前だっけ?」


「あ、もさお。とにかく入ってこい」



菜月の背中を押して脱衣所に追いやる。


もう、七瀬のせいで名前間違えたじゃん。


はぁ。


もう、いないのに、七瀬の存在感が強すぎる。


早く連絡取らなきゃ。


そんなことを思いながらスマホを探し続ける。
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