生徒会長は女の子が苦手です
「ど、うしよ」


「ショッピングモール行こう。


あの子の誕生日プレゼント、買いに行かなきゃ」


「あぁ、そうだな」


「それと、はい」


渡されたのはスマホ。俺の。



「菜月が持ってたの?」


「1日ぐらい、私だけを見て欲しかったの。


安心して、あの子からの連絡は来てないみたいだし、充電もしておいたから」



根は、いい子なところは昔と変わらない。


赤茶色はあんまり好きじゃないけど。



「ほら、伊織くん、着替えてね。ショッピングモール行こう!」


そう言ってそそくさと部屋を出て行く菜月。


スマホを見ても七瀬からの連絡はない。


誕生日忘れてたから、嫌われたのかな…。


電話をかけてみると、電源が落ちているのか通じない。


なんで。


俺拗ねそう。


仕方ないから着替えて菜月のとこへ行く。


「準備できた」


「じゃあ行こう。すぐ行こう」


そう言って俺の手を引いて、家を出る。


ショッピングモールまでは菜月は俺の半歩前を歩いていて。


ちっちゃいなぁ。


七瀬が背が高いからそう見えるのか。


そういえば佐倉さんもこれぐらいだった気がする。


ショッピングモールには、なんだかあったかそうなものばっかりだった。


まだ冬だしねぇ。
< 183 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop