生徒会長は女の子が苦手です
「七瀬から全部聞いてる。


突然来た女を家に連れ込んで、七瀬のこと返したんだろ?


七瀬、泣いてたけど。


お前、何したかわかってんの?」


今にも胸倉を掴まれそうな勢いで、早口で話す。


「私のせいですいません」


菜月は即座に謝った。


「私、家出して。頼れる相手がいなくて。


それで伊織くんのところに来ました。本当にごめんなさい。


それで今日は、お詫びに七瀬ちゃんの誕生日プレゼント、一緒に探しに来ました」


「ちょっと待て、今更誕生日プレゼント?


伊織まさか忘れてたとかそういうわけじゃねぇよな」


「…すいません」


「…まじかお前、呆れた。なんちゅうことを」



すると、スマホがなった。


七瀬からだと思って、スマホを見る。


実際、七瀬からで。



「もしもし?」


『い、おり?』


「どした?なんか声掠れてない?」



すると呆れたままの北斗くんが俺に言う。



「七瀬は風邪ひいてるぞ。今朝、病院見に来てくれて、そのまま帰した」


は?何それ、え?


「七瀬、大丈夫?」


『大丈夫。…あのね、誕生日プレゼント…』


「うん、何がいい?」


『…伊織』


「へ?」


『…伊織に、看病して欲しい。…いや?』
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