生徒会長は女の子が苦手です
テスト期間2日目。


「…俺の猫はもさおだ。わさびじゃない……」



「恋菜、会長のこと心配になってきた」


「伊織のお母さんがもさおとわさびを言い間違えたらしいよ。五年前の話だけど」





テスト期間3日目。


「…空から猫が降ってきた……」



「会長、だいぶメルヘンな世界にいるらしいね〜」


「伊織だから」





テスト期間4日目。


「…明日は俺も貝柱食べる……」



「恋菜、会長頭おかしいと思うの」


「今に始まったことだから気にしなくていいんだよ」




テスト期間5日目。


「…それはもさおじゃなくて七瀬のぬいぐるみ……」


「なんだろう。会長きもいね」


「私、ぬいぐるみなんか3年前に近所の子にあげて持ってないよ」




毎日寝続けた伊織は土曜日だから集まらない日でも心配で連絡を入れてみた。


流石にここまで毎日寝たのは初めてだったから。



「…電話しても、いいのかな」



なんか恋煩いをしてる女の子みたいなつぶやきをして、伊織に電話する。


現在時刻朝の11時。


伊織は3コールで電話に出た。



『……もしもし』


「…寝起きとか言ったら怒るよ?」



声は思いっきり寝起きで、不機嫌丸出しだった。



『…今起きた』


「…今からそっち行くから、着替えて勉強の準備してまってて」


『…わかった』
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