生徒会長は女の子が苦手です
伊織、このままじゃほんとに勉強しないだろうな。


そう思った私は、着替えて伊織の家に行くことにした。


クローゼットから、寸胴スタイルがわからないようなふわっとした服と、膝上の黒いスカートを出すと、


それを着て、勉強道具を持って、歩いて5分の伊織の家に向かった。


伊織は一人暮らしをしてる。


私もだけど。


私の場合、お父さんとお母さんが、現在進行形で世界一周旅行でお金を使いまくっていて、家族で暮らしていた家に私1人で置いてけぼりを食らった形。


今はおばあちゃんにお金の面倒を見てもらっている。


伊織は、共学を受けると言って伊織パパと伊織ママと喧嘩してそのまま家を追い出されて一人暮らしを余儀なくされている形。


アホだと思う。


黙って男子校にいっておけばよかったのに。


そうしたら、こんな苦労せずとも、学校に通えただろうに。



そんなことを考えてるうちに伊織が暮らすマンションについた。


チャイムを鳴らすと、伊織がのそのそ出てきた。


頭ボサボサ。


着替えてって言ったのにパジャマだし。


まだ寝ぼけてるのかフラフラしてるし。


「…おはよう」


「おはよう。勉強しようか」


「…やだ」


無理やり家に上がると、一応嫌とは言いつつ勉強の準備をしてあった。
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