生徒会長は女の子が苦手です
少し暗めだけど、人通りの少ないところについた。


ベンチがあったから2人で並んで座った。



「菜月、1人で来たの?」


「うん、来たら伊織くんに会えると思って。


こんなにおっきな祭りだとは思ってなかったけど」



困ったように笑う菜月。



よく見るとがっつりメイクをしている。



近づいてわかったけど、すごい香水の匂い。



きついなぁこれ。



「ほんとに、伊織くん見つけれてよかった」



菜月は、嬉しそうに微笑むと空を見上げてぼーっとする。


まあ、祭りだから、どこに変な奴がいてもおかしくない。


そっか、そう考えたら、七瀬は女子2人か…。



んー、不安だなぁ…。


桃矢と合流しててくれたらいいのに…。



すると、空が赤くキラキラと光って、


遅れて大きな音がなった。



花火だ。



「綺麗…」



空を見上げたまま呟く菜月。



七瀬は大丈夫かな。


変な男に絡まれてたらどうしよう。



「伊織くんは、誰のこと考えてるの?


あの、例の幼なじみかな?」



「あぁ、うん」



「ふーん…」



上を向いたまま物言いたげに呟いて、それから押し黙った。
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