生徒会長は女の子が苦手です
気づいたら保健室に寝ていた。


「あら、起きたの」

「すいません…えっと、私…」

「生徒会で忙しかったのかな?ちょっと脱水と寝不足だね。石原くんが運んでくれたのよ?


あとでお礼を言って置いた方がいいわね。女の子苦手なのに」


ふふっと笑う保健室の先生。


伊織がここまで…?


なんで…。


あんなに引き離しちゃったのに。


「会長は…?」


「ん?仕事に戻るって言って生徒会室に戻っちゃったわよ?


今日はもう生徒会室に行かせないでくださいって言ってたわ。


教室の準備眺めに行ってみたら?あ、動いちゃダメよ?あと、水分は取ること。あなたのクラスの子には伝えてあるから。


えっと…黒瀬くんだっけ?あの子に言ってあるからのんびりするといいわ。たまには遠くから全体を通してみるのも悪くないわよ?」



「あ、はい。ありがとうございます」


保健室の先生にお礼を言って、部屋を出る。


伊織が私のことを気にかけてくれるなんて、なんでだろ…。


嬉しいけど、不思議でしかない。


あんなに突き放しちゃったのに…。


自販機で緑茶を買って、教室へ向かう。


冷たいペットボトルが気持ちいい。


するとダンボールを2つ積み重ねた黒瀬くんが生徒会室の方から歩いて来た。
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