生徒会長は女の子が苦手です
…なにこいつ。


気持ち悪いぐらい私のこと見透かしてる。


恥ずかしいのに、なんだか嬉しい。


伊織が猫を離すと勢いよく私に走ってきた。


「ぎゃー」


もふがガラガラした声でなく。


野良猫みたいな鳴き方をしてるけどしっかり友達の猫ちゃんの子どもらしくて。


不思議な鳴き声だなぁ。


もふを抱き上げてふわふわの毛を撫でる。


「あ、お風呂入れてくるね」


「あぁ、ご飯も作ってね」


「はいはい」


私はもふを抱っこしたまま、お風呂のお湯はりスイッチを押して、そのままソファに直行する。


もふと一緒にソファに倒れこんでもふを撫でる。


「んー、かわい。もふはいつもかわいいねぇ〜」


「もさおなんだけどね」


「もふもふだねぇ〜、かわいい」


もふを抱きしめたまま眠気が急に押し寄せてきた。


んー、ダメだ。


まだご飯作ってない…。


よし、起きる。


「伊織〜、ちょっと甘えさせて」


「どしたの」


「起こして?」


そういうと、伊織は笑って手を伸ばしてくれた。



「ん。俺のためにご飯作って」


「はーい」


伊織の手を掴むと起き上がって、もふを預ける。


それから、私がご飯を作ってる間に、伊織はお風呂に入って、一緒にご飯を食べて、そのあと私がお風呂に入った。


夜はもふを連れて私の部屋に行ってもうひと組床に布団を敷いた。
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