生徒会長は女の子が苦手です
「ななちゃんほんとお母さんみたいだね」


「まぁ、伊織の面倒は見るように頼まれてるからね」


「へぇー、将来はいいお嫁さんになるね」


「ふふ、ありがと」



恋菜は私の隣に立って洗い終わった湯呑みを拭いて棚に片付けてくれる。



「恋菜ありがと。おかげではかどったよ」


「いーよいーよ!恋菜こーいうお手伝い好きだもん」



そう言って笑うと恋菜はタオルを洗濯機に放り投げた。



「それにあのわがまま王子毎日大変でしょ?


恋菜も何かお手伝いしてあげたいなぁって思ったの」



この子は本当に。



なんていい子なんだろう。




「ありがとっ!恋菜大好き!!」



ガバッと抱きつくと恋菜も抱きつき返してくれる。



私より10センチ近く小さい恋菜はサイズ感が本当に好き。



うん。恋菜に彼氏できたら妬いちゃうかも。



「七瀬っ!準備できた!」



「はーい、いまいくー」



給湯室の扉を挟んで伊織が叫ぶ。



ここには恋菜がいるから入ってこれないんだよね。



「恋菜、行こ」


「はーい」



恋菜と手を繋いで給湯室を出る。


時計を見るとあと5分で授業が始まるところだった。
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