生徒会長は女の子が苦手です
次の日。


文化祭第一幕。


生徒が全員講堂に入ったことを確認すると、舞台の中心でマイクのスイッチを入れる。



『場内整備を行います。

先程、教室でお知らせしてもらいました座席ですが、今年度は入場者数が多いので少し詰めていただくことになりました。


つきましては1年7組と1年8組のみなさんは前方左右の空いている席にプログラムを持って移動してください』



それだけ言うとスイッチを切って舞台を降りる。


今年は混んじゃったなぁ。


去年はこんなにも混まなくてゆったり座れてたのに。


私は講堂を出て、空いた座席やもともと開けておく予定だった座席の分、合計100席分のプログラムの刷り増しを職員室に取りにいく。



多分、今年の文化祭が混むのはコンテストとかで優秀賞とかが多かったからだろうな…。


演劇部は最優秀賞。


吹奏楽部は金賞。


明後日、展示を予定している美術部は賞を総なめにしてきたらしい。


今年は書道部のパフォーマンスも予定してるし、色々去年とは違うから。


1人で廊下を歩いていると黒瀬くんが目の前を歩いてきたのを見つけた。


「なんでここにいるの?もうみんな講堂にいるよ?」


「いや、いろいろあって…」


「どうしたの?何かあった?」
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