生徒会長は女の子が苦手です
この人は、何を言っているの?


私たちの関係は幼なじみで、それ以上でもそれ以下でもない。



「あたりまえでしょ?


どうしたの急に」


伊織は私の顎を持ち上げた。


そして急接近。



「俺は、七瀬のこと幼なじみだと思えないから。


ずっと前から。小さい頃から七瀬のことは女の子としてしか見れない」


「どうしたの、伊織。なんか変だよ?」



私が不思議そうな顔をすると伊織は余裕のなさそうな顔をした。



「七瀬がモテることは知ってる。たくさん告白されることも。


でも、それを聞くたびに黒い感情が俺の中に渦巻く。


言ってる意味、わかる…?」



都合が良い夢を見ている気がした。


だって、伊織が言っているのは私と同じ感情で。



「…やきもち、ですか?」


「そう。やきもち。


七瀬のこと好き。だから、今日も黒瀬にやきもち妬いた」


私は思わず、伊織の頬をつねった。


「…痛い」


「夢じゃ、ない?」


「自分のでやってよ」


伊織は苦笑いをして、私の顔を触っている反対の手で、私の頬をつねる。


「いひゃい」


「うん。夢じゃないでしょ?」



私はコクリと頷く。



「ごめん。急にこんなこと言って。


迷惑だったよな。返事、いらないから」
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