生徒会長は女の子が苦手です
結局、文化祭が始まってから、3日目の夜、後夜祭までは一度も休む暇などなかった。


2日目は、3年間で初めて、自分のクラスの出し物に参加させてもらって、生徒会なんかよりもっと忙しいことが身にしみた。




3日目は文化委員と生徒会で交代で来場門に立ち、


空いた時間で華道部や書道部、美術部、写真部などの作品が荒らされていないかを確認に行き、


迷子の小さい子の道案内や、親探し。


忙しさに切りはなかったが、多分充実していたんだと思う。


多分。


その間、伊織とは生徒会としての会話しかなく、登下校の時は2人とも疲れて口を聞けなかった。




そして後夜祭。


第2グラウンドで、女装、男装コンテストや、告白大会などの催しが行われて、締めくくりには雇った業者さんに打ち上げ花火を上げてもらう。


この催しの主催は毎年生徒会ではなく文化委員ということになっているので、司会や段取りは全て文化委員がする。


もちろん、前日までの準備は生徒会も手伝うけど。


その間、校内は立ち入り禁止になるのだけど、文化祭の後の業務のため生徒会は中に入れることになっている。


そんな特権を言い訳に私と伊織は屋上に来ていた。


校舎の正面にある第2グラウンドを見下ろして、久しぶりに伊織と2人きりになった。
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