めざせクリスマス

最高の時間

 私達は、6回目のデートで初めてキスをした。



 それも突然。



 なんだか、いつも彼は突然で私は驚いてばかりだ。
 


 その日は、仕事帰りに待ち合わせして、高層ビルから見える夜景を楽しみにしながら食事をしていた。
 


 6回目のデートと言っても、二人が出会ってから、まだ一ヶ月たっていなかった。



 私達は、仕事で忙しかったが、時間を少しでも作っては、お互いのことを知ろうと、デートを重ねたのだ。



 私は、その短い時間で彼を今まで出会ってきた人の中で、一番愛せる気がすると思い始めていたのだ。
 


 本当に彼は私の理想の人だからだ。



 彼も、私を愛してくれてるとその時は、信じていた。
 


 この一ヶ月は、仕事に恋愛にとあっという間に過ぎていった。



 お酒と夜景のムードにお互いほろ酔い気分になりながら、下りのエレベーターを待っていたときだった。


 
 ふと会話が途切れ、無言のまま見つめあったときに、彼は私にキスをしてきた。



 私は、突然の出来事に、目を開けたまま固まってしまって、彼にされるがままだった。



 そんな私に彼は、
 

   「ごめん。


    キスしたくて我慢できなかったんだ。」


          と、素直な自分の気持ちを言ってきた。
 


 彼の照れながら謝っている姿が可愛いかった。



 私は怒るどころか、うれしくてでも、うまく言葉にできなくて、無言で彼の腕に腕を絡ませ、彼の顔を見た。



 そしてお互い、再び唇を重ね合わせた。
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