めざせクリスマス
お店に入ると、彼は私に、


「コーヒーでいい?」


と聞きながら、すでに注文を始めていた。



なんて自分勝手な人だと感じつつ、私はそんな彼に、振り回されているのを少し楽しんでいた。
 


コーヒーはすぐに運ばれてきた。



コーヒーが運ばれてきても、私達は口をつけるでもなく、話をするわけでもなく、ただ無言の時間を過ごした。
 


5分くらいの無言の時間だったと思うが、すごく長く感じた。



また、お店の明るさが、彼の顔をはっきり私に印象付け、私の顔も彼にはっきりと見えているんだと思うと、どんな表情をしたらいいのか、どんな態度をとったらいいのかと、居心地が悪かった。



そんなことを感じながら、私は彼が口を開くまで待った。
 


お店に入ってから私の顔を二度、三度眺めてから、彼はずっと窓の外を眺めていたが、決心したように突然話し出した。



それも、頭の片隅にもなかった言葉から・・・
 


「俺と付き合って下さい。」だった。
 


私は驚き、困惑して返す言葉が出てこなかった。



どうしたらいいのかわからなかった私の様子を見て、彼は、自分のことと、今日私を見て感じ、決心したことを語り出した。
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