恋のコーチは期間限定
21.壊れていく
「美希さん遅かったね。
仕事忙しい?」
「うん。まぁ。ごめんね。待ったよね。」
「ううん。俺もさっきまで友達とラリーしてた。」
優しい嘘。
けれどこの嘘にも裏があったんだ。
それはそうか、わざわざ私のテニスのコーチになって蒼葉くんになんの得があるんだろうって思ってたけど、全てに納得できる。
彼は最初からこのゲームを楽しんでいたんだ。
大好きなチェスをするみたいに。
戦略を立てて回り込んで逃げられないようにして、そして『チェックメイト』
ちゃんと『チェック』って警告されたかな。
聞こえなかったんだけどな。
「どうしたの?顔色が悪いけど。
今日は帰った方がよくない?」
「うん……そうさせてもらおうかな。」
心配してくれる蒼葉くんがアパートまで送ってくれて、心配……してくれているのか、心配してくれているフリなのか。
彼がする全ての行動に疑心暗鬼になって「ありがとね」とさよならを口にする。
「今日の美希さん心配だから側にいちゃダメ?
俺がいると休まらないっていうのなら帰るけど。」
捨て犬のような目で見られてももう騙されない。
仕事忙しい?」
「うん。まぁ。ごめんね。待ったよね。」
「ううん。俺もさっきまで友達とラリーしてた。」
優しい嘘。
けれどこの嘘にも裏があったんだ。
それはそうか、わざわざ私のテニスのコーチになって蒼葉くんになんの得があるんだろうって思ってたけど、全てに納得できる。
彼は最初からこのゲームを楽しんでいたんだ。
大好きなチェスをするみたいに。
戦略を立てて回り込んで逃げられないようにして、そして『チェックメイト』
ちゃんと『チェック』って警告されたかな。
聞こえなかったんだけどな。
「どうしたの?顔色が悪いけど。
今日は帰った方がよくない?」
「うん……そうさせてもらおうかな。」
心配してくれる蒼葉くんがアパートまで送ってくれて、心配……してくれているのか、心配してくれているフリなのか。
彼がする全ての行動に疑心暗鬼になって「ありがとね」とさよならを口にする。
「今日の美希さん心配だから側にいちゃダメ?
俺がいると休まらないっていうのなら帰るけど。」
捨て犬のような目で見られてももう騙されない。