恋のコーチは期間限定
 望美から報告の電話があった。

『ありがとね。お姉ちゃん。
 高坂くん、来てくれるって。』

「ううん。
 私が言ったお陰なんかじゃないよ。」

『そんなことないよ。
 一回断られたんだけど、やっぱり行ってもいいかなって、わざわざ言いに来てくれて。』

 一回……断ったんだ。
 どのタイミングで?どうして行く気に?

 ううん。
 そんなこと気にしたって仕方ない。
 彼は学生で、私は社会人で。

 ただ彼は年上のお姉さんと遊んでみたかっただけ。
 短い間の心地よい関係も彼に取っては私を陥落させるためのゲームのようなものだった。

 所詮、彼にとっては期間限定のただの火遊び。






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