恋のコーチは期間限定
「とりあえずビールかな。君は?」

「……蒼葉です。」

 なかなかこの子も引かない子ね。

「……うん。蒼葉くんは?」

「じゃ俺もビールで。」

「ん?」

「ビール。」

「やめてよ。
 未成年にお酒を勧めたら捕まるわ。」

 呆気に取られた顔をした彼は顔を崩して笑った。

「大丈夫。
 俺、飲んでも変わらないですから。」

「今のはオフレコってことで忘れてあげる。」

「忘れ……って。」

「あなたに飲まれたらこっちが捕まるんだから勘弁して。」

「だいじょう……ぶ。」

 睨みつけると両手を上げて降参のポーズを取った。

「分かった。分かった。
 美希さんは飲んだらいいですよ。」

 そう言った彼は大人しくオレンジジュースを注文した。






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